秋とはり重と社長の話。
今週のお題「秋の気配」
たまにはお題に沿って書くのも良いかと思いまして。
秋になると思い出すことを書きたいなと。
母からよく「りつは職場の人間関係に恵まれてる」と言われます。
これは旦那もなんですが、高給には恵まれなくとも、何故か同僚や上司は良い人ばかりなんですね。
ちょっと変な人が居たとしても、すぐ居なくなったりとか。
上司で言えば頑張りを評価してくれたり、隠れた努力を見てくれている人だったり。
私が独身時代働いていた職場の社長もそうでした。
頑張ったなーと言ってくれて、何か食べに行くか!と毎度誘ってくれました。
小さい会社でしたからね。
そんな社長に初めて食事に連れて行ってもらったのが、丁度このぐらいの時期でした。
新人の私が好きなものを食べに行こうと言われ、何が好きかと聞かれて私が言ったのは親子丼。
マジで好きなんです。大好きなんです。社長の求めていた答えではないのは百も承知ですが好きなんです。
「いや、もうちょっと高いのでもええねんで…。晩御飯に親子丼って。また昼に連れてったるから…」と逆に気を遣ってオロオロされたのも良い思い出です(笑)
うーんと悩んでる私の横で社長は思い出したように
「あ!すき焼きは好きか?」と聞かれました。
すき焼きって言えばあれですよ。私的にはセレブの食べ物ですよ。普段の食卓には並ばないメニューですよ。お祝いメニューですよ。
でも大好きです。
「はい好きです!」と答えて、連れて行かれた先は
はり重
ご存知ですか?関西の方は知っている方も多いでしょう。
あのすき焼きの名店です。
はり重 - すき焼き・しゃぶしゃぶ・日本料理・洋食・精肉販売・通信販売
庶民の私でも知っています。
テレビでよく見ます。
一度行ってみたいなー稼いだら自分の金で思う存分食べるぞーと思っていたあの名店です。
20歳そこそこの小娘が入っていいの?
とうろたえました。
入れ入れーと社長に促されドキンチョーの中、入店。
ガッチガチの私の前に並べられる今まで見たことのない高級そうな肉。
食べると美味い。美味すぎる。これまで食べてた肉は肉じゃないのではないかと思うぐらい美味い。
「どうや?」と無心で食べている私に感想を求める社長。
私は「成功者の味がします。私なんかが食べて良いんでしょうか…貧乏人の娘にはもったいない気がして…」
と答えました。
その後言われた社長の言葉は今でも忘れません。
「食べるだけやったら誰でも食べれる。こうやって部下にお腹いっぱい食わしてやれるようになったらちょっとした成功者や。そういう人間になれるように一所懸命頑張りなさい。」
私はその言葉を胸に今も頑張っています。
社長は私が出産のために退社するまで、色んなところにつれていってくれました。
メニューをじっくり見たことはないですが、どれも目玉飛び出る金額だったと後々調べて知りました。
経費で落としていたとしても、社員ほとんど参加でしたから払う金額はものすごい金額です。
私の夢は、いずれ自分で会社を興すことです。
そうして部下が出来た時、はり重や社長が連れて行ってくれた店に連れて行って、全員お腹いっぱいになるまで食べさせてやりたい。
そう思って毎日頑張っています。